2010年5月九州宮崎
 ひむかの国4河川を下るカヌートリップ
五が瀬川 北川 小川 耳川


(後編) トップ アイコンもどる


5月3日(祭)
朝早く俺は、北川上流の八戸(やと)のある家の前にいた。「おはようございます。」返事がない。川原の犬小屋に行く。5匹の犬がほえる。また家に行く。軽トラックがあるのでいるはずなんだが、困っているとやがて家の中でガサガサして白髪のオジイが出てきた。

吉原さんだ。このあたりの猟師で、猪やシカ撃ちのハンターである。数日前、下見に来たとき、話の流れで猪肉を分けてもらうことになったのだ。

「わしの家はこの奥の2階の方だ!こっちは、作業場だ!」「上に来れば起きたのに!」俺は、吉原さんの家を間違えていた。「せっかく来たんだからこれも持っていけ!」と夏シカの肉をもらう。(吉原さんは、1年中猟ができる許可書を持っているので夏シカが手に入るのだ。自分で食べるためにとっておいた肉をいただいた。)そして、「そうだ、これももっていけ!」と若シカ肉をいただく。3つの大きな肉の塊を持ってベースキャンプに戻る。

今日のカヌーは、「四万十よりきれいじゃろ〜」と地元の人が自慢する小川である。

この川は、水がきれいなだけではない。(スタート地点からゴール地点まで水がすんでいて底が見えるのだ。)カヌーが宙に浮いているように見える。スラローム練習がしたくなる岩が出ている瀬あり、スリリングな頭首工(堰堤)があり、カヌーしていて楽しいのだ。天気は今日も夏日だ。7人+4匹のとても楽しいツアーになったのは言うまでもない。日本全国いろんな川を下っているが、川下りの楽しさ基準はトップレベルかな。

ベースキャンプ川原にゴールして歩いて温泉に行く。やがて楽しい夜がやってきた。

猪肉と夏シカ肉のBBQなのだ。楽しくないわけがない。「私たち豚肉が、だめなんです。」と不安がっていたS夫婦「うま〜い!」猪の肉は硬いのかなっと思っていたが、やわらかい。臭味もない。猪鍋でなく、焼肉だなんて、こんな贅沢なことしていいんかな。

やがて夏シカ肉も焼く。「おいし〜い!」「うまい!」「最高〜!」こんな会話だけで時間がすぎる。空は満天の星空であった。あたりは、空になった缶ビールの山々。

5月4日(祭)
 早朝、エンジンの音がした。「朝早く出発したいので、静かに撤収して出て行きます。」とと言っていたSさんの車の音だ。今日は、午後からY子さんも帰るのでだんだん寂しくなってくるのだ。

今日のコースは、北川である。昨日の朝、猪肉をいただいた吉原さんの家の前からベースキャンプそばまでのコース。今日も天気がいい。スタートの時、吉原さんが来た。肉のお礼を言う。肉はどう料理したの?」「焼いて食べました。」「それがええ!贅沢な食べ方じゃ!」

川にカヌーを出すには、犬小屋前を通らなければならない。5匹の犬たちが吼える。5匹とも吉原さんの犬だ。この犬たちに無線機をつけて吉原さんは猟をする。1匹の犬を小屋から出してきた。「数日前、山で猟したとき、わしが行ったときには、こいつらが食い殺してしまったあとだったよ。」「この犬は、まだそのときの血が落ちないんだよ」小さな白い犬は、口の周りが赤かった。小さくて可愛い顔してて、とてもこの犬たちが、猪やシカを食い殺すなんて想像ができない。

吉原さんと別れ川を下る。川原では、いつまでも吉原さんが、立って見送っていた。
吉原さん、ありがとうございました。この出会いで、宮崎ツアーが数倍楽しくなった。

ゴールしてからバタバタであった。Y子さんの電車の時間が迫ってくる。皆で延岡駅に行く。Y子さんが帰り、S子さんT子さんとはるみどんと俺4人になって、ひでじビール工場に行く。
1月に来たことを覚えていてくれた。工場見学とビール工程を丁寧に説明してくれた。 そのあと生ビールが始まった。
ドライバーの俺は、夜神楽同様、時間がたつのが長かった。またおかわりかよ!はるみどん!

工場見学後、「美人の湯」なる温泉に行く。帰りの車で「あたしたち、なんか変わってない!」とはるみどん。どう答えていいかわからんので景色を見ていた。山の上で数匹のシカがこちらを見ていた。

5月5日(祭)
 今日は、ベースキャンプ地点から北川を下って海まででるコースであったが、予定変更。またまた小川を下ることになった。ラクーンツアーによくあるパターン。スケジュールもアバウトだし、マニュアルなどはない。安全で最高に感動できる日になるんだったらころころと予定は変わるのだ。消化試合みたいなツアーは、間違ってもしない。

小川を下っていると籠を持ったおじさんと会う。川原で竹の子掘りをしていた。おじさんがごっそり竹の子をくれた。ゴール後、女子3人は、一足先に延岡へ行く。途中の道の駅で、マンゴーソフトを食べたらしい。一人残った俺は、ベースキャンプの撤収だ。終わりかけた時、りんちゃんパパがやってきた。(りんちゃんというミニチュアダックスを散歩にいつもやってくる近所のお爺さんだ。)近くのコンビニのお爺さんもやってきた。りんちゃんパパが手伝い始めた。「おじさん、危ないからいいよ!」と俺。おじさんたちは、かまわず話しかけてくる。
「四万十よりぜんぜん綺麗やろ!」「でも昔は、もっと綺麗じゃった。なんせ飲めたんだからな!」やばい!話が長くなる。延岡で皆が待っているので、あせる俺。

川原でのベースキャンプとしては、レベルの高い環境の良い場所だった。帰るのが、とても名残惜しかった。

延岡で皆と合流後、日向にある海沿いのオートキャンプ場に向かう。
シカ肉がまだたっぷり残っている。竹の子もたくさんある。夜の飯が、またまた豪華になった。

5月6日(やっと平日)
 キャンプ場の近くの美々津駅で、S子さんとT子さんを見送る。海岸に折りたたみ自転車を置いて耳川上流に行く。
とうごう道の駅でカヌーを降ろし、飯を食べていたら人が集まってきた。「どこから来たの!」「海までいくのか?」など話しかけてきた。見送りの人たちに手を振ってスタート。はるみどんとタンデム艇だ。

「耳川は、にごっちょるぞ!」とりんちゃんパパが言っていたが、どうしてどうして関東の川より水はきれいだ。

瀬の波が高くバウのはるみどんが、ビビリだす。なかなか良い川ではないか。やがてゴールのおだやかな海が見えてきた。ここからが大変なのだ。折りたたみの自転車で一人とうごう道の駅に置いてきたトラックを取りに行くのだ。17キロはある。おまけにずっと良い天気であったのに雨が降ってきてる。はるみどんは、その間海岸で散歩しながら待つことになったが、おそらく、ビールでも飲んでるんだろう・・・
 郵便受けが洒落ていた。

カヌーでは、全くビビらなかった俺だが、自転車では、ビビリっぱなし。
平日なので道路は、ダンプ多いし、近くを通るし!雨だし!のぼり坂多いし!汗ビッショリになってトラックに着いた。やった!4河川すべてやった。あとは、帰るだけだ。がんばるぞ。

この後、東京に帰ったら連日口てい疫のニュースで、俺は胸が痛んだ。  


トップ アイコンもどる