2009年9月 ラクーン20周年記念釧路湿原ツアー 後編

  

9月21日(祭日)一文無しから・・・
  朝から相変わらず風が強く屈斜路湖畔キャンプ場は、冷たい強風で騒がしかった。
早く現場に行きたい気持ちを抑えるのが、大変であった。
落ち着け!」「あわてるな!
しっかり食べて行かなければ!
など言い聞かせながらも意味なくうろうろする俺。

 朝飯をがっつり食べ、キャンプ場をチェックアウトして現場に着いたのは、11時近かった。午後1時から地元の警察に全員行く事になっていた。11時スタートして2時間ある。しかしながらこの後、かなりの時間がかかることになった。
今日のレスキューは、全員参加の実践講座なので、みんな役割分担が、決まっていた。
俺とはるみどんの作業をサポートする人、カメラ、ビデオなどで記録する人、作業中に流された時に作業者をレスキューする人(下流中州で待機)、また万が一の時、警察に連絡を入れる人などであった。

 そして時間をかけてミーティングをした。
全員の動き方や流れなど理解するまで話し合った。
そして11時戦闘開始。
各々配置についた。カヌー4艇は全て現場にあった。
右岸に投げておいたレスキューキットがすぐ見つかったのはうれしかった。
このキットがあればナントカできる!と思う

川の中央の倒木に張り付いたカヌーには、かなり苦戦したが、3艇回収。残り1艇は、流れの早いところで足場が悪くかなり難航すると思えたが、あっさり回収した。
この艇を回収時ポロッと黄色の防水バックが流れた。
「モロさん、あのバックの中にモロさんの財布が入ってるのよ!」と叫ぶはるみどん。

なに!

と下流に向かって走り出す俺。
下流中州には、万が一の時のために名古屋から参加のナリタさんがいた。
「ナリタさん。き、き、きいろのバック流れてこなかった?」
「流れてきたけど中央だったので手が届かなかったよ」
「まだ流れたばかりだから追いつくんじゃないかな?」
「よっしゃ!はるみどんには、戻ってくるからと言っといて」
「戻るったてどうやってここに戻るの?」
「なんとか戻るから」

と回収されたカヌーに飛び乗り、追いかける俺。

 今まで、全てチームプレーで、慎重にひとつひとつ回収してきたのに、俺はここで個人プレーになる。
後にナリタさんから「モロさんのあんな血相を変えた顔は、初めて見たよ。」といわれたが、あのときの俺は、ブレーキが外れた暴走列車であった。

バッ、バックはどこだ!

血相変えダッシュの俺。やがて確かに黄色の小さなものを遥か前方に見る。
しかしなかなか追いつかん。
「どうしたモロズミ!カヌー大会で何度か勝ったことがあるだろうが!もっとダッシュだ!」と激を入れるが、なかなか追いつかなかった。
土壁でやっと追いついた。

 バックの中は水びだしでビチョであったが、財布、免許証、カード、通帳などたくさん大事なものがあった。
「やったー!」おもわずガッツポーズがでた。

ここからだと漕ぎ上るより、下の摩周大橋が近かった。
摩周大橋には、濡れた荷物が置いてあった。メモ書きがおいてあった。

「ごくろうさまです。長野カヌークラブです。回収した荷物置いておきます。」
と書いてあった。回収作業中、現場を通りかかったカヤックグループだ。

「下流になにか引っかかっていたら、摩周大橋に置いておきますよ!」と彼らは言っていたが、助かった、ありがとう長野カヌークラブ。

 時間がかかったが、実践レスキュー講座が終わった。
お客さんの持ち物では、ナリタさんのベースボールキャップとユウコさん(いつもGWのツアーに参加している常連さん)の防水バック(このバックは、後日回収した)がまだでてこない。
残念だが、時間切れだ。
道端で回収した荷物を広げながら
「やった。中濡れてない!」
「携帯大丈夫だ!」
「財布がでてきてホットしたよ。これで帰れる。」
歓喜の声が次々と聞こえる。


お客さんには、先に警察に行ってもらう。
今回の事故の事情を聞くことになっているのだ。
時間がかかるかも知れないと昨夜担当刑事に言われていたのだが、あっさり終わったみたいだ。
俺とはるみどんは、トラックに回収したカヌー積み込み後、警察に行く。
皆には、駅の足湯で待っててもらうことにして、我々は、二階の会議室に行く。

今回の事故の担当者である刑事さんが、
「諸墨さん、本当に良いお客さんですね。これだけの人数だと一人くらいツアーのクレームをつけるのに、だれも言わないんですよ!こんなの初めてですよ。」
「あとは、始末書を書いていただけば、今回の事故は全て終わりになります。」
広い会議室で始末書を書く2人。

「モロさん、あたし、生まれて初めてよ、始末書書くのは!」とはるみどん。
 俺は?

 温泉経由でキャンプ場にいったので、達古武キャンプ場に遅くなって着いた。
皆が温泉中、俺は標茶の肉屋で濡れた札でドカーンとジンギスカン肉を買った。
一文無しからリッチになった(?)からだ。ただし札は見事に全部ビショ濡れであるが。

借りたバンガロー前の芝生が宴会場所になった。

まるで優勝した野球チームのビールかけ会場みたいに、皆テンションが高かった。
昼間は全員野球でカヌー回収したが、その乗りで夜はもみんなで
BBQだ。
生まれて一度も料理を作ったことのない人も料理を作った。
とにかく星空の下、にぎやかに、なごやかに、食事大会となった。よく飲み、よく食べた。


9月22日(祭日)
釧路湿原ツアーは続く。
前日の疲れなのか、少し朝寝坊気味で、カヌーのスタートは大きく遅れ、天気もあまり良くなかったが、牛、馬を間近に見て、タンチョウにもエゾシカにも会え、秋の釧路湿原を皆たんのうした。
ここで二人が一足先に帰る。いつもにも増して、名残惜しかった。

9月23日(祭日)最終日
この日はよく晴れた。
カヌーイングは距離を短くして、予定通り、岩保木水門にゴール。
湿原では、タンチョウ、サギがよく見えた。
旅の最後は、和商市場の勝手丼で北海道の秋の味覚に舌鼓を打ち、各々、お土産を買って解散だ。

様々なことがあったが、ツアーの終わりには笑っていられて本当に良かった。
みんなどうもありがとう。

ふんどし締めなおしてラクーンは、来年いよいよ九州に上陸する!

細岡カヌーポート

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