雨嵐が去った秋の久慈川


2008年10月24日(金)
 トラックに6艇カヌー積んで日立港に向かっていた。朝から雨である。国道50号から雨が激しくなり車のワイパーが間にあわなくなってきた。  昼前、日立のおさかなセンターの駐車場に着いた。雨が激しくて何度かためらったが、カッパ着てクーラーボックス持っておさかなセンターに入る。俺はここで、特大の秋刀魚を明日からの久慈川の参加人数分11匹・目光(⇒深海魚でワカサギより一回り大きく、焼いてよし天ぷらよしのメチャ美味い)をたっぷり・マグロのカマやあら汁用のあらなどガンガンと買っているうちに雨なんか気にならなくなっていた。予報では、明日は晴れだ。明日の夜はキャンプ場で海鮮バーベキューだ。なんだか楽しくなってきた。ホームセンターで炭もしこたま買って、雨に向かって「どんどん降ってください。どうせ明日は晴れだし!ははは!」と楽しかったのはここまで。久慈川方面に向かっていくと、小さな川の水位が異常に高いのが目に入ってから、やばいと思い始める。そしてとんでもない久慈川を見ることになる。ゴーゴーと川からあふれんばかりの水量に言葉が出ない。なんてことだ!濁流ではないか!!  ゴール予定の下小川の川原の入口にパトカーが止まっていた。道を通行止めにしている。あれれ!沈下橋が見えない。増水でまさに沈下しちゃってる! とにかく春と同じヤナセキャンプ村に行くことにした。 キャンプ村のおじさんは「久慈川は、雨になると一気に増えるが、止めばすぐに減るよ。今夜雨が止んだら明日の午後あたりから大丈夫だよ」 キャンプ村のおばさんは「カヌーは大丈夫なんですか?私は上流の福島から帰ってきましたが、上流の雨の激しくてワイパーが全然きかなかったですよ」 そして若旦那「これだけ降ると一週間は引かないですよ」  今夜はテント泊の予定であったが、雨でかつ寒いし、一番小さなバンガローを借りる。はるみどんは、夜遅く電車で合流で、駅に迎えに来いだと。それまでビールは我慢ではないか!仕方ないから部屋の中で明日から参加のお客さんの沈する場面を想像して一人にやにや!気持ちわる〜。9時すぎ上小川の駅にお迎えに、もう真っ暗だったが雨は止んでいた。

10月25日(土)
川の状態が気になっていたので早々と起きる。川は、流れはまだ早いもののかなり水位は下がったみたいだ。トラックで下小川の沈下橋を見に行く。橋はすっかり川から出ていた。2メートルほど水位が下がっている。車の中で、はるみどんと作戦会議が始まる。 予定をかなり変更することにした。 春のツアーとチェンジし、今日はここキャンプ村からスタートとする。 明日は上流の常陸大子からここまでだ。上流コースの沈下橋は、まだこの水位だとくぐれないしシャモの瀬があるからだ。 キャンプ村から下流のコースも瀬はあるが、慎重に通れば何とかできるだろう。念のため、今日の午前中はこの流れに慣れてもらうため、キャンプ村前で少し練習してもらい午後から下流に行こう。ゴールは下小川沈下橋だ。時間とともに川の水位はどんどん下がっていく。あわてないことだ。ゆっくりが大事だ。時間はたっぷりある。で会議は終わったんだが、それからバタバタ忙しくなる。「シャモ肉の店もう開いているでしょう。なにのんびりしてんのよ。9時すぎにはお客さん来るのよ。それにモロさん、駅に電車で来る人、迎えに行くんでしょ!」とはるみどんのエンジンがかかる。トラックは、シャモ生産組合に突入。鍋用の骨付きを2キロとバーベキュー用の焼き鳥と皮を買う。プライスは予算オーバーだが、もはやエンジン全開のはるみどんがとなりにいたので財布から惜しみなく金をだす。そしてキャンプ村に戻ると戦闘モード。「モロさん、これ片付けて!」「お客さん来たわよ!」「9時26分の電車でお客さんが来るんでしょ。トラック、片付けなくてどこに乗ってもらうのよ!」「とにかくチャッチャとやって!」 どたどた動き回ってると後でプシュ!振り向くと缶ビール開けて飲んでるはるみどんがいた。 9名のお客さんが来た。春の久慈川で来たマッツン兄とかおりさんに前回欠席のマッツンがシャモ肉を食いたくてやってきた。また前回沈して着替えが無くて礼服で帰ったTさんも今回リベンジでやってきた。Tさんは、春の久慈川以降カヌーを買って今回は舞いカヌーで気合が入っていた。夏の千曲川で親子参加のタスク君とYさんは、奥様を連れての参加だ。ラクーンツアーに初参加のムロガさん。昔むかしその昔ラクーンの久慈川に参加した石川青年。総勢11名が、雨嵐が去ってもまだ少し増水中の久慈川に挑む2日間の旅が始まった。 さっそくキャンプ村前でカヌーするも、まだ流れが早く流されて練習にならん。昼飯後、下小川沈下橋まで下る。天気はぱっせずどんよりだ。そして肌寒い。時間をかけて慎重に下る。いくつかの瀬をクリアしてゴールまであと半分あたりの瀬でソロカヌーのマッツンが沈!!レスキューして川原で休憩する。前回春の久慈川で沈したTさんはなにやらニッコニコだった。川原の上にりんご園で「秋映・陽光・ふじ」が混ざったお得を一袋買って再スタート。そして下小川沈下橋にゴール。 キャンプ村に戻ってから、寒かったのか温泉に行き、シャワー、、焚き火グループと思い思いの過ごし方をし、夜になり海鮮バーベキュー宴会に突入。特大の秋刀魚がばかうけだ、旨い。日本の秋はやっぱ秋刀魚だ!といいながら今度は目光を。目光は、口の中で身がとろけていく食感がたまらない。シャモ焼き鳥・皮も旨い。マグロとブリのカマと豪華だ。あら汁良い味がでてる。酒がいいね。星空もいいね。焚き火最高。 いつしか焚き火前で舟を漕いでいた俺。「モロさん、おネムの時間!」と退去命令がでた。



10月26日(日)
昨夜の早々と撤退したせいか一人早く起きる。が、手持ち無沙汰だった。食器洗いも片付けも昨夜中に終わっていたのだ。仕方ないとビールを飲む俺。静かだ。川の水位がまた下がっている。濁っていた川も普段の川色に少しもどったみたいだ。おだやかな朝はここまで。やがてはるみどんが起きてきていつものあわただしい時間が始まるのだ。朝ごはんも豪華になった。名物「舟納豆」に肉厚の鮭を網で焼いた。昨夜のあら汁の残りは味噌汁に変身だ。朝ビーもアリ。皆腹いっぱいで常陸大子観光ヤナからスタートしたのが、11時を回っていた。間もなく雨がポツリポツリと。 秋の久慈川は、落ち鮎漁期になり芝堰なる簡易施設が川いっぱいにできる。川幅いっぱいに杭が打ち込まれ杭と杭の間を束ねたシバやササあるいは竹やロープなのでとおせんぼされてカヌーが通れなくなるのだ。那珂川などは、一箇所白い旗で目印にして通れるようになっているが、久慈川は、そのようなシステムにはなっていない。したがってカヌーツーリングが厄介な時期でもあるのだが、雨嵐の後なのでとてもラッキーであったのだ。ほとんどの芝堰が増水で壊されていて川の中央を問題なくクリアできた。流れもまだ早く、スタート遅れの時間も取り戻せそうだ。濁りがまだ少しあり、釣り人もいないので気を使うこともなく、スタートして2番目の沈下橋も高さがきわどかったが、クリアしての快適なカヌーツーリングであった。そしてメインイベント、シャモの瀬(久慈川カヌーコースで最大級の瀬)に到着。天気のいいときにここに突入したかったんだが、まず上陸して下見。瀬をみて一同シーンとなる。 「そんなに簡単に久慈川を下っては困りますよ。さあいらっしゃい!」とばかり波高く口を広げて待ち構えていのだ。 「私が、デモでまず下ります。一艇しかレスキューできないので私が、オッケーサインだしたら一艇だけ下って来てください。」と言い、ソロで下る。右サイドのわずかなエディにカヌーを待機させ、けっこうやばいかもと思いながらもオッケーサインをだす。 一番目が、はるみどんとタスク君の乗ったタンデム艇だ。今日のシャモの瀬は、タンデム艇は全滅かと思っていたので緊張する。さすがはるみどんである、大量の水をもらいながらも何とか持ちこたえていた。が、瀬をクリアしたのでいっぱいいっぱい、艇に入った水出しに苦労していた。タスク君は、初めて経験した瀬に川原で呆然としていたのだ。したがってはるみどんはレスキューに回れない。その状態を俺は知らない。 が、オッケーサインをだしてしまったのだ。2番目もタンデム艇であった。ムロガさんと石川青年だ。沈間違いなしと思っていたが、なんとクリアした。でまたすぐオッケーサインをだす。(でもこのあと再スタートのとき沈した。かなり下流でのことだったので俺は知らない。)3番目はYさん夫婦タンデム艇だ。あとわずかで終わる波でシャモの瀬の餌食になる。俺の出番である。瀬が終わってもトロ場がないのでレスキューしながらどんどん下流に流されつつ下流の状態を理解する。満杯の水をだせず懸命にカヌーをおさえているはるみどん。水出ししている二人。レスキューできるのは俺だけだ。レスキューが終わったときは、かなり下流だった。ここから漕ぎ上がり、オッケーサインを出さないといつまでたってもゴールできない。ガシガシと漕ぎ上がると俺の腕は、パンパンであった。そして4番目のTさんソロ艇が・・・沈。「よっしゃー!」と気合いれレスキューにいく俺。沈したとき、カヌーからビニール袋に入った煎餅が流れてきた。これを先に拾ったぶんTさんのレスキューが若干遅れた。「大丈夫ですか。ところでこの煎餅いただいてもいいですか?」「どうぞ!」とずぶ濡れのTさん。漕ぎ上がりで腹ペコだったのでをありがたく口にいれ 再度漕ぎ上がる。そしてオッケーサイン。やばい次はマッツン兄がソロ艇で下ってくる。間違いなく沈だろう。しかし完璧な力強いパドリングだった。やった!クリアだ。本人も嬉しかっただろうが、俺も嬉しかった。2回も漕ぎ上がって腕パンパンが限界にきていたからだ。ラストは、マッツンとかおりさんのタンデム艇だ。マッツンだけなら心配であるが、かおりさんがスターンだ。かおりさんなら何とかするはずだ。やれやれとホットする。が、甘い!沈だ! レスキューが終わり長い長い時間のかかったシャモの瀬が終わった。俺はくたくたであった。予定時間が、大きく遅れキャンプ村にゴールした。 朝あんなに食べたのに皆腹ペコであった。昨夜「モロさん、シャモ鍋は、いつなの?今回は、それが食べたくて参加したんだから!」とマッツンでしたが、お待たせしました。奥久慈のシャモ鍋がここで登場ですよ。コシの強いシャモ肉にがっつき、鍋はあっという間に空に。 ソロ艇でシャモの瀬をクリアしたマッツン兄「久慈川面白いですね。また春にでもやりたいので企画してくださいよ。」 シャモ鍋を美味しくやっつけたが、何人かはシャモの瀬に食われた秋の川旅が終わった。





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